紅一点×SnowMan⑩ (ページ6)

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side YOU ページ6

本来ならお披露目ライブを
アジア各国を回りながら行うはずだったのに。

コロナ禍の影響もあり、海外はおろか、
国内でのライブもできないままだった。

そんな中で今回は配信という形で
ライブを行うのだけど。

今日はリハの日で、
私たちはステージで最終確認をしていた。

滝『なあ、A。ちょっといいか？』

「ん？どうしたの？」

滝『ちょっと。』

デビューしてからも、
こうして気にかけてくれる秀明くんは
時々こうしてライブや舞台に来てくれる。

秀明くんが私を呼んだので、舞台袖に向かう。

なんだろう。
このタイミングで呼ばれるの、なんかやだなぁ。

「何？なんか怖いんだけど。」

滝『んー。大丈夫。ちょっとオファーしたいだけ。』

「オファー？」

滝『RIDE ON TIMEのExtra editionの話がきてるんだ。それをAでお願いできないかなって。』

うわぁ。なるほどね。

今回、ドキュメント番組の取材が
入っていたのは知ってたけども。

そもそもこの手の番組は得意じゃない。
だけど、、、。

「断る選択肢あるの？」

滝『今回は、、、ある。やっぱ個人にスポットが当たる分、いろんなことを話さないといけないから、、、。例えば家族とか。』

「あー、なるほどね。」

だから秀明くんは
こうして私にだけ話をしてくれたんだ。

前の私なら絶対断っていた。

だけど、最近、メンバーが家族の話をしていく中で
私に遠慮して不自然な対応になっているのは知っている。

ずっと隠してきたことだけど、
そろそろ限界がきているのは間違いない。

私は少しだけ息を吸って秀明くんを見た。