【WT】欠陥聖女は祈る (ページ29)

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27話ページ29

お兄ちゃんとは幼児期までの思い出しか無い。それでも、いつも私を楽しませてくれて、ダメなことはしっかり怒ってくれて...本当に大好きだった

しかし、これから私がここで生活していくにあたって、彼が最警戒人物で間違いない。向こうがルリの事を覚えているかどうか分からないが...もし覚えているのなら、正体がバレた瞬間終わりだ

彼は唯一、昔の私...つまりα国聖女をしていたことを知っている。革命からはもう何年も経ったが、WT国としては旧国の王族は根絶やしにしたいだろう。彼らは聡明だ。いくら幹部と血縁者とはいえ、危ない要因を生かしはしないだろう

どうやって彼と距離をとろうか...なんて考えていると、ふと誰かが喋り始めた

br｢はい！！ルミナちゃんに城を案内した方がいいと思います！！てか僕がやりたい！！｣

そう意気込むぶるーく様。確かに私は城の構造を知らない。これからの事を考えると教えてもらえたらとても有難い...！！

shk｢自室の場所も決めたら教えなきゃだしな。俺は迎え行く仕事したからぶるーく頼んだわ｣

kr｢ルミナの部屋は俺の隣の空き部屋がいい！！いいよね！？｣

sm｢ついでに監視室の場所も教えといて｣

kn｢まぁこの後しゃけを除いて暇なのぶるーくだけだし、それでいいんじゃない？｣

na｢じゃあ決まり！！ぶるーく、ルミナさんに城を案内してあげて。後、彼女の部屋作りもできる範囲で手伝ってあげて！｣

br｢は〜い！！まかせてよ〜ん｣

それじゃ、城の案内しに行こっか。と言いながらこちらを振り向くぶるーく様。今の話を聞いていて思ったのだが、WT国王,幹部の皆さんは即断即決なのだろうか...？先程から会話の展開が早すぎて驚きが隠せない

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『ぶるーく様、お気遣いありがとうございます。どうぞよろしくお願いします...！』

ぶるーく様に連れられて会議室から後、廊下で彼にお礼を言った。すると何故か彼は顔を顰めてしまった。何か気に触ることでもしてしまったのだろうか...！？

一人で焦っていると、途端に彼は話し始めた

br｢ルミナちゃん！！僕さっき自己紹介の時なんて言ったか忘れちゃったの？｣

なんて今度はしゅんとした顔になったぶるーく様。心做しか犬の耳と尻尾が見える気が...

『勿論覚えていますよ。いきなりどうしたのですか...？』